Summaryこの記事の要点
商圏の人口・世帯・年代構成は、総務省統計局の jSTAT MAP(無料)で、物件を中心に半径を指定して調べられる。
机上の数字と、現地の実測(時間帯別の通行量、競合の入り具合、視認性)の両方を見る。どちらか一方では判断を誤る。
家賃は見立てた月商の10%以内が目安(経験則)。超えるなら、計画を物件に合わせるのではなく物件を見送る。
居抜き物件は前テナントの業態と撤退理由を必ず確認する。設備が残っている理由が、あなたの店の弱点になることがある。
01商圏人口を無料で調べる:jSTAT MAP
商圏の人口は、総務省統計局が e-Stat 上で提供する「jSTAT MAP(地図で見る統計)」で無料で調べられます。中小企業基盤整備機構の解説によると、地図上で物件を中心に円や多角形でエリアを指定し、「リッチレポート」を作成すると、国勢調査に基づく人口ピラミッド、世帯構成、性別・年代別人口が、区や都道府県との比較つきで出力されます。250mメッシュで人口分布を地図に重ねることもできます。
使い方の要点は、半径を業態に合わせることです。日常使いの飲食店や美容室なら半径500m〜1km、専門性の高い業態や駅前立地なら駅の乗降客数と広域からの来店を別に見ます。年代構成は、想定する客層(たとえば30〜40代女性)がその商圏にどのくらいいるかを確かめるために使います。人口が多くても客層が合わなければ意味がありません。
国勢調査は5年ごと(直近は2020年、2025年調査の結果は順次公表)なので、再開発で住民が急増している地域では数字が古いことがあります。自治体が毎月公表する住民基本台帳の人口で補正してください。
02現地で測ること:通行量、競合、視認性
机上の人口と、実際に店の前を通る人の数は別物です。候補物件では、平日と休日、朝・昼・夕・夜の時間帯ごとに、店の前の通行量を自分で数えてください。15分数えて4倍すれば1時間あたりの概数になります。業態の営業時間帯に人が通っているかが重要で、朝の通勤者が多くてもディナー業態には関係ありません。
競合は、同業態だけでなく「同じ財布を取り合う店」を見ます。ラーメン店なら牛丼・定食・コンビニの弁当も競合です。価格帯、席数、ピーク時の入り具合を記録し、その商圏の「空いている価格帯・業態」があるかを探します。競合が多いこと自体は悪くありません。需要がある証拠でもあります。問題は、自分の店が選ばれる理由を一言で言えるかどうかです。
視認性と導線も現地でしか分かりません。駅から歩いて店が目に入るか、道路の反対側から看板が読めるか、入口に階段や段差はないか、2階・地下なら「入ってみよう」と思わせる要素を外に出せるか。家賃が安い物件には、だいたいこのどれかに理由があります。
03物件を見送る基準
立地診断の結論は「この物件で出す」か「見送る」の二択です。見送る基準をあらかじめ決めておくと、気に入った物件を前にしても判断がぶれません。
- 家賃が、見立てた月商の10%を超える(経験則の目安。詳しくは 事業計画書のガイド)
- 営業時間帯の通行量が、必要な来店数に対して明らかに足りない
- 想定客層の年代・世帯構成が商圏に薄い
- 設備面で致命的な制約がある(飲食の排気・給排水・電気容量、ジムの床荷重・騒音、美容所・診療所の構造設備基準)
- 居抜きで、前テナントの撤退理由が立地に起因している(人通り・視認性・競合)
見送った物件は無駄ではありません。比較の基準ができるので、次の物件の判断が速く正確になります。業種ごとの物件の見方は、飲食店、美容室、ジム、クリニック の各ガイドにあります。
04立地診断で、YUMEMIRUができること
竹・松プランでは、候補物件ごとに商圏人口・競合・現地の実測を整理し、売上シミュレーションと突き合わせて「出す/見送る」の判断材料をつくります。当社の代表は商業用不動産を専門に扱ってきた経験があり、物件オーナーとの条件交渉の勘所も含めてお伝えします。契約済みの物件でも、その物件を前提に計画を組み直すことはできます。
Plan 01
梅1回のみ
事業計画・コンセプト・売上シミュレーションの相談を1回。まず全体を整理したい方に。
Plan 02
竹6ヶ月
計画づくりから物件の立地診断、融資申込みの準備まで。開業前の判断を一緒に進めます。
Plan 03
松12ヶ月
開業準備に加えて、HP制作・運用、採用準備、開業後の経営改善まで12ヶ月伴走します。
料金はプランと任せる範囲で異なるため、ご相談時にご案内しています。詳しくは プラン比較 をご覧ください。
Q&Aよくある質問
Q1商圏分析は自分でできますか?
できます。総務省統計局の jSTAT MAP(無料)で、物件を中心に半径を指定してリッチレポートを出せば、人口・世帯・年代構成が分かります。現地の通行量と競合は自分の目で確かめてください。
Q2駅から近ければ良い立地ですか?
限りません。業態の営業時間帯にその道を人が通っているか、想定客層が商圏にいるか、家賃が月商の見立てに収まるか、の3つで判断します。駅近で家賃が高い物件より、1本裏で視認性のある物件が合う業態もあります。
Q3居抜き物件は得ですか?
初期費用は下がりますが、前テナントの撤退理由が立地に起因している場合、同じ理由で苦しむことになります。前の業態と撤退理由、残っている設備の状態(排気・給排水・電気容量)を必ず確認してください。
Q4物件が決まった後でも立地診断は意味がありますか?
あります。契約済みなら、その物件の商圏・競合・動線を前提に、客層・価格帯・営業時間・集客の設計を組み直します。候補段階なら、見送る判断も含めてお伝えします。
Ref.参考資料・出典
- 総務省統計局 e-Stat「jSTAT MAP(地図で見る統計)」 https://jstatmap.e-stat.go.jp/
- 中小企業基盤整備機構「デジwith」jSTAT MAPを使いこなして商圏の分析をしよう(2021年2月公開) https://digiwith.smrj.go.jp/cocoapp/info/feature/cp577f0000002zw3.php
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法的・税務的な助言ではありません。制度や手数料は改正・改定されることがあるため、申請前に所管の窓口でご確認ください。
