Answer先に結論
飲食店の開業で最初にやることは、物件探しではありません。①自分の店の数字を出す、②その数字を持って融資の相談に行く、③その数字に収まる物件を探す。最初の30日は①に使ってください。
最初の30日:誰に・何を・いくらで売る店かを決め、月商 = 席数 × 回転数 × 客単価 × 営業日数 で数字を出す。家賃の上限は月商の10%(経験則)。
2か月目:日本政策金融公庫の創業相談(無料)へ。計画書・見積もり・通帳の3点を持って。開業費用は公庫調査で中央値600万円(全業種)。
物件を先に見てはいけない。気に入った物件が先にあると、家賃に合わせて計画を歪めることになる。
01最初の30日でやる3つ
開業の相談に来る人の多くは、物件か内装の話から始めます。順番が逆です。最初の30日は、机の上で終わる仕事に使ってください。
- 誰に、何を、いくらで1週目客層、業態、客単価、営業時間を一枚に書く。「ランチ1,000円の定食を近隣の会社員に」のように、一文で言える状態まで。
- 月商の式で数字を出す2〜3週目月商 = 席数 × 回転数 × 客単価 × 営業日数。回転数は満席前提ではなく、ランチ1.5回転・ディナー1回転のような控えめな値で。
- 家賃の上限と、必要な資金を決める3〜4週目家賃は月商の10%以内(経験則)。資金は物件取得費・内装厨房・開業準備費・運転資金(最低6か月分)の4つに分けて積み上げる。
- 自己資金を確認する4週目通帳で、いくらを、どう貯めてきたか。公庫調査の開業時自己資金は平均279万円。必要額の2〜3割が目安。
この30日で出た「必要な月商」「払える家賃」「足りない資金」の3つの数字が、以降のすべての判断の基準になります。式の立て方は 事業計画書の作り方、資金の積み上げ方は 飲食店の開業資金はいくら必要か に。
022か月目からの順番
- 2か月目公庫の創業相談(無料)に行く創業計画書、設備の見積もり、自己資金の通帳。この3点があると相談が具体的になる。融資相談ガイド
- 3〜4か月目物件を探す家賃の上限に収まる物件だけを見る。商圏人口は jSTAT MAP(無料)で、通行量は自分で数える。立地診断ガイド
- 契約後図面を持って保健所へ事前相談(工事の前)基準に合わない厨房は許可が下りない。飲食店営業許可の取り方
- 開業3か月前HP・Googleビジネスプロフィールの公開、求人開始開業と同時に始めると、最初の3か月が空く。
- 開業1か月前営業許可申請(工事完成の10日ほど前、東京都)、消防の届出全体の流れは 飲食店の開業ガイド に。
居抜きで3〜4か月、スケルトンからの内装工事を含むと半年前後が目安です(当社の経験則で、統計ではありません)。
03やってはいけない最初の一歩
- Case 01物件から入る一番多い失敗。気に入った物件が先にあると、その家賃で成り立つように回転数や単価を「合わせて」しまう。公庫調査で開業時の苦労の1位は「資金繰り、資金調達」(56.9%)。その多くは、この順番から始まっている。
- Case 02内装・ロゴ・メニュー表から入る楽しい作業なので手が伸びやすいが、数字が決まる前の内装は、後で全部やり直しになる。保健所の基準に合わない図面を描いてしまうこともある。
04誰に相談するか
相談先は、聞きたいことの種類で選びます。制度の確認は無料の窓口で足ります。「この物件で、この家賃で続くか」のような判断は、店を出した経験のある人に聞かないと具体的な答えが返ってきません。
- 商工会議所・自治体の創業支援窓口(無料)制度、補助金、手続きの確認に向く
- 日本政策金融公庫の創業相談(無料)融資の条件と、計画書の見方。最初に行く先
- 税理士・行政書士開業届、許可申請の代行、税務
- 店舗を出した経験のある支援会社物件・家賃・売上の見立てなど判断を伴う相談。当社の店舗開業サポート YUMEMIRU はここに入る。計画から開業後の経営まで、店舗を出し運営してきた支援者が直接担当し、相談は無料
Consult相談は無料
最初の30日の数字を、一緒に出します。
コンセプト未定でも構いません。必要な月商、払える家賃、足りない資金の3つを、同業態の実感と照らして確認します。
05AIと計画を進めるなら、人に確認すべき3つ
最近は、ChatGPT などに事業計画を相談しながら進める人が増えています。式の立て方や計画書の骨組みを作るには向いています。ただ、AIの答えだけで決めると危ないところが3つあります。
- 数字の出典「飲食店の開業資金は平均1,000万円」のような数字は、調査値ではなく誰かの目安であることが多い。公的な数字(公庫の新規開業実態調査など)と、自分の候補物件の見積もりに置き換える
- 地域で決まること保健所の施設基準、手数料、消防の届出期限は自治体ごとに違う。東京都港区と渋谷区でも申請のタイミングが違う。物件の所在地の窓口で確認する
- 融資の面談で、自分の言葉で説明できるかAIが作った計画書をそのまま出しても、面談で根拠(席数・回転数・単価の設定理由)を聞かれる。数字は自分で出し、人に一度見てもらう
AIで骨組みを作り、数字と地域の条件を人と確認する。この組み合わせが、今のところ一番速くて安全です。
Plan 01
梅1回のみ
事業計画・コンセプト・売上シミュレーションの相談を1回。まず全体を整理したい方に。
Plan 02
竹6ヶ月
計画づくりから物件の立地診断、融資申込みの準備まで。開業前の判断を一緒に進めます。
Plan 03
松12ヶ月
開業準備に加えて、HP制作・運用、採用準備、開業後の経営改善まで12ヶ月伴走します。
料金はプランと任せる範囲で異なるため、ご相談時にご案内しています。詳しくは プラン比較 をご覧ください。
Q&Aよくある質問
Q1飲食店を開業したいのですが、何から始めればいいですか?
物件探しではなく、自分の店の数字を出すことから始めてください。誰に・何を・いくらで売る店かを決め、月商 = 席数 × 回転数 × 客単価 × 営業日数 で月商を見立て、その10%を家賃の上限にします(経験則)。最初の30日はこれに使い、2か月目に日本政策金融公庫の創業相談(無料)へ行くのが現実的な順番です。
Q2物件を先に探してはいけないのですか?
先に見ること自体は構いませんが、先に決めてはいけません。気に入った物件が先にあると、その家賃で成り立つように回転数や単価を合わせてしまい、開業後の資金繰りが苦しくなります。家賃の上限を決めてから探すと、判断がぶれません。
Q3誰に相談すればいいですか?
制度や手続きの確認は商工会議所・自治体の創業支援窓口や日本政策金融公庫の創業相談(いずれも無料)で足ります。「この物件で、この家賃で続くか」のような判断を伴う相談は、店を出した経験のある人に聞いてください。当社の店舗開業サポート YUMEMIRU は、店舗を出し運営してきた支援者が直接担当し、相談は無料です。
Q4開業資金はいくら必要ですか?
飲食店に限った公的統計はありません。日本政策金融公庫の2025年度新規開業実態調査(全業種、公庫の融資先が対象)では開業費用の平均975万円・中央値600万円、自己資金の平均は279万円です。自分の店の金額は、物件取得費・内装厨房・開業準備費・運転資金の4つに分けて候補物件の条件で積み上げてください。
Q5ChatGPTで作った事業計画で融資は通りますか?
計画書の骨組みを作るには有効ですが、面談では席数・回転数・単価の設定理由を自分の言葉で説明することが求められます。数字の出典(公的統計か目安か)、保健所や消防など地域で決まる条件、自己資金の積み立て経緯は、AIでは確認できないので人と確認してください。融資の可否は金融機関の審査で決まります。
Ref.参考資料・出典
- 日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」(2025年12月公表。対象は公庫国民生活事業が2024年4〜9月に融資した企業、回答2,165社。公庫の融資先に限られる点に注意) https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kaigyo_251205_1.pdf
- 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」(制度の最新条件は公庫の公式ページで確認) https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinkikaigyou_m.html
- 東京都保健医療局「食品衛生の窓」営業許可・届出の概要 https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/kyokatodokede/youshiki.html
- 総務省統計局 e-Stat「jSTAT MAP(地図で見る統計)」 https://jstatmap.e-stat.go.jp/
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法的・税務的な助言ではありません。制度や手数料は改正・改定されることがあるため、申請前に所管の窓口でご確認ください。
