Answer先に結論
初出店の支援は「お金」と「相談」の2系統です。お金は、区市町村の新規出店補助金、東京都の創業助成金、公庫の創業融資。相談は、商工会議所・自治体・公庫の無料窓口と、特定創業支援等事業の講座。補助金は後払い・先着・期間限定なので、物件を決める前に自分の区市町村の制度を確かめてください。
区市町村の補助金は場所で全く違う。三鷹市は事業開始時30万円+6か月後30万円(創業者は各50万円、令和8年度、先着)。荒川区は特定の商店街で店舗整備 上限100万円(補助率6分の5)と賃借料 上限120万円。
東京都の創業助成事業は助成率2/3以内・上限400万円。ただし申請には特定創業支援等事業の利用や制度融資の利用などの前提要件があり、満たすのに概ね2か月以上。令和8年度の受付は4月と9〜10月の2回。
特定創業支援等事業(区市町村の講座や相談を1か月以上・4回以上)の証明書があると、株式会社の登録免許税が15万円から7.5万円に、公庫の利率引下げ、創業関連保証が事業開始6か月前から使える。
01支援は2系統:お金と、相談
- Case 01お金区市町村の新規出店補助金(店舗の整備費や家賃の一部)、東京都の創業助成金(経費の2/3、上限400万円)、日本政策金融公庫の創業融資(限度額7,200万円。返すお金)。補助金・助成金は原則後払いで、開業資金そのものには使いにくい。
- Case 02相談商工会議所・商工会の経営相談、自治体の創業支援窓口、公庫の創業相談、TOKYO創業ステーション。いずれも無料。区市町村が行う特定創業支援等事業の講座を受けると、証明書で税や融資の優遇が受けられる。
先に見るべきは「相談」の側です。特定創業支援等事業の証明書が、東京都の創業助成金の申請要件にも、登録免許税の軽減にも、公庫の利率引下げにもつながるからです。順番を間違えると、助成金の申請要件を満たすのに2か月以上かかります。
02区市町村の新規出店補助金:3つの例
区市町村ごとに制度が違い、年度ごとに変わります。東京・神奈川の2026年度の例を3つ挙げます。いずれも申請前に最新の案内で要確認です。
- 30万円+30万円三鷹市 新規出店者支援金事業開始時と6か月後。創業者は各20万円加算で各50万円(令和8年度)
- 100万円荒川区 店舗整備の補助上限補助率6分の5。宮前商店会・旭電化通り商光会商店街が対象
- 120万円荒川区 店舗賃借の補助上限月額10万円を上限に最長12か月。敷金・礼金・共益費は除く
- 2万円川崎市 NOREN 講座受講料全10回の創業者育成講座。補助金ではなく、特定創業支援等事業に位置づけ
- 15日以上/月三鷹市の営業日数要件1年以上の継続営業見込み、商店会への加入も条件
- 3週間前荒川区の事前申請の目安補助事業の開始前に申請。予算がなくなり次第終了
三鷹市は、市内の賃貸物件で小売業か飲食業を令和8年4月1日〜令和9年3月31日に営業開始する事業者が対象で、申請は先着順、予算額に達した時点で受付終了です。荒川区は対象が2つの商店街に限られ、商店会長の同意が要ります。川崎市のNORENは補助金ではなく講座ですが、修了すると特定創業支援等事業の証明書につながります。
使うときの注意は、どの自治体でもほぼ同じです。
- 後払い先に自分で払い、要件を満たしてから受け取る。開業資金の穴埋めにはならない
- 事前申請工事や契約の前に申請が要る制度が多い。荒川区は開始の約3週間前まで
- 商店会への加入三鷹市・荒川区とも条件。会費と活動が伴う
- 親族の物件は対象外荒川区は3親等以内の親族からの賃借を除外。三鷹市は本人や本人の会社が所有する物件を除外
- 先着・期間限定年度の途中で締め切られる。候補地が決まったら、その区市町村のサイトで「新規出店」「創業支援」を検索する
03東京都の創業助成金と、特定創業支援等事業
東京都の「創業助成事業」(東京都中小企業振興公社)は、都内で創業予定か創業5年未満の中小企業者等が対象で、助成率は対象経費の3分の2以内、上限400万円です(令和8年度。東京都報道発表)。対象経費は賃借料、広告費、器具備品購入費、専門家指導費、従業員人件費、市場調査・分析費など。ただし、申請には前提があります。
- 特定創業支援等事業を受ける1か月以上・4回以上区市町村の創業講座や出張相談。経営・財務・人材育成・販路開拓を学ぶ。代表者本人の出席が必要(中央区の例)。
- 証明書を受ける支援終了から1年以内原則1回だけ発行。株式会社の設立登記では証明書の原本を法務局へ。設立後の軽減申請はできない。
- 証明書で受けられる優遇税・融資・保証登録免許税が0.7%→0.35%(株式会社は最低15万円→7.5万円、合同会社は6万円→3万円)。公庫の新規開業・スタートアップ支援資金の利率引下げ。創業関連保証が事業開始6か月前から。
- 創業助成事業に申請年2回・各10日間令和8年度は第1回 4/7〜4/16、第2回 9/29〜10/8(電子申請)。要件を満たすまで概ね2か月以上。
創業助成金の申請要件は、特定創業支援等事業のほかに、TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援の終了、都や区市町村の創業向け制度融資の利用などでも満たせます。どれで満たすにせよ、助成金の受付(10日間)から逆算して2〜3か月前に動き始める必要があります。令和8年度の受付はすでに終わっているので、次年度の募集(例年2月ごろ発表。要確認)を待つ形になります。
東京都 創業助成事業の要点(表で見る)
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 対象者 | 都内の創業予定者、または創業5年未満の中小企業者等(経営に従事した期間が通算5年未満) |
| 主な申請要件(いずれか) | TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援の終了/インキュベーション施設の入居/都・区市町村の創業向け制度融資の利用/区市町村の認定特定創業支援等事業の利用 |
| 助成率・上限 | 対象経費の3分の2以内、上限400万円 |
| 対象経費 | 賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費、市場調査・分析費 |
| 受付 | 第1回 4月7日〜16日、第2回 9月29日〜10月8日(電子申請) |
| 問い合わせ | 東京都中小企業振興公社 創業支援課 03-5220-1142 |
※ 年度ごとに条件が変わります。申請前に公社の最新の募集要項で確認してください。
04無料の相談窓口と、お金では解決しないこと
- 商工会議所・商工会経営相談、創業塾。特定創業支援等事業を担っている地域も多い
- 区市町村の創業支援窓口補助金の最新情報と、特定創業支援等事業の講座日程はここで
- 日本政策金融公庫の創業相談融資の条件、創業計画書の見方。融資相談ガイド
- TOKYO創業ステーション事業計画書の策定支援。終了すると創業助成金の申請要件を満たす
補助金や助成金は、使えれば助かりますが、「この物件で、この家賃で、続くか」を代わりに判断してはくれません。公庫の2025年度調査では、開業時の苦労の1位は資金繰り(56.9%)、2位は顧客・販路の開拓(49.9%)です。補助金で埋まるのは前者の一部で、後者は計画と立地で決まります。
Consult相談は無料
使える制度の確認と、物件・家賃の判断を、一緒に。
候補地の区市町村の制度を調べ、特定創業支援等事業の受け方を含めて順番を組みます。計画の数字と物件の見極めは、店を出して運営してきた支援者が直接担当します。
Plan 01
梅1回のみ
事業計画・コンセプト・売上シミュレーションの相談を1回。まず全体を整理したい方に。
Plan 02
竹6ヶ月
計画づくりから物件の立地診断、融資申込みの準備まで。開業前の判断を一緒に進めます。
Plan 03
松12ヶ月
開業準備に加えて、HP制作・運用、採用準備、開業後の経営改善まで12ヶ月伴走します。
料金はプランと任せる範囲で異なるため、ご相談時にご案内しています。詳しくは プラン比較 をご覧ください。
Q&Aよくある質問
Q1初めての出店で使える補助金はありますか?
区市町村ごとに新規出店向けの補助金があります。例として三鷹市の新規出店者支援金(事業開始時30万円+6か月後30万円、創業者は各50万円、令和8年度、先着)、荒川区の特定商店街出店支援(店舗整備 上限100万円、賃借料 上限120万円)。場所と年度で全く違うので、候補地の区市町村のサイトで確認してください。
Q2補助金はいつ申請すればよいですか?
多くは工事や契約の前の事前申請で、先着・予算上限つきです。荒川区は補助事業開始の約3週間前まで、三鷹市は事業開始時と6か月経過時の2回です。後払いなので、開業資金そのものは別に用意する必要があります。
Q3東京都の創業助成金は誰でも申請できますか?
できません。都内で創業予定か創業5年未満であることに加え、特定創業支援等事業の利用、TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援の終了、創業向け制度融資の利用などの要件のいずれかが必要です。要件を満たすのに概ね2か月以上かかり、受付は年2回・各10日間です(令和8年度)。
Q4特定創業支援等事業とは何ですか?
産業競争力強化法に基づき、区市町村が行う創業講座や相談です。1か月以上・4回以上の支援を受けて証明書をもらうと、株式会社の登録免許税が15万円から7.5万円に、公庫の新規開業・スタートアップ支援資金の利率引下げ、創業関連保証の前倒し利用などの優遇が受けられます(中央区の案内)。各制度には別途審査があります。
Q5補助金が出れば開業資金は足りますか?
足りません。補助金は後払いで上限があり、開業費用の中央値600万円(公庫2025年度調査、全業種)に対して一部を埋めるものです。自己資金と創業融資で全体を組み、補助金は上乗せとして考えてください。
Ref.参考資料・出典
- 三鷹市「新規出店者支援金のご案内」(令和8年度。2026年7月14日更新)(先着順。予算額に達した時点で受付終了) https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/109/109361.html
- 荒川区「特定商店街における出店支援事業補助金」(2026年9月9日更新)(宮前商店会・旭電化通り商光会商店街が対象) https://www.city.arakawa.tokyo.jp/a020/jigyousha/jigyouunei/syuttenhojokin.html
- 川崎市「かわさき店舗出店支援プログラム【NOREN】」(2026年8月18日更新)(補助金ではなく創業者育成講座。特定創業支援等事業に位置づけ) https://www.city.kawasaki.jp/280/page/0000143218.html
- 東京都「令和8年度『創業助成事業』募集」(2026年2月16日 報道発表)(助成率2/3以内・上限400万円。第1回 4/7〜4/16、第2回 9/29〜10/8) https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/02/2026021609
- 中央区「創業支援事業(特定創業支援等事業)」(2026年4月1日掲載。証明書で受けられる支援措置) https://www.city.chuo.lg.jp/sigoto/kigyonosinko/sougyousienjigyou.html
- 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」(制度の最新条件は公庫の公式ページで確認) https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinkikaigyou_m.html
- 日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」(2025年12月公表。対象は公庫国民生活事業が2024年4〜9月に融資した企業、回答2,165社。公庫の融資先に限られる点に注意) https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kaigyo_251205_1.pdf
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法的・税務的な助言ではありません。制度や手数料は改正・改定されることがあるため、申請前に所管の窓口でご確認ください。
